コラムの最近のブログ記事

先の記事に続きASCII.jp:電子書籍勉強会で参加者と語り合ったこと|編集者の眼という記事より

「今の学生は本を読まないし、人の話を聞かない。テレビも見ていない。ところが自分の意見をいうのは大好き」という現役大学教授ならではの若者像が語られた。

自分の意見を言うのが好きといっても、それすらもリブログやリツイートといった無言の主張に変わってきています。その意味においてはtumblrからEPUBを生成する Tumblr 2 ePubなどはユーザー動向に則したものだと言えます。

文庫小説が1冊で数時間分のエンターテインメントを提供しているのだとしたら、電子小説の読者は数時間かけて読むことに集中できるだろうか。

違うんです。
だからこそのマイクロコンテンツ化なんです。分厚い本を読む集中力などは求めてはいけないです。だったら紙の本を買いますよ。iPadでやりたいのは長文を読むことじゃない。ちょっとした時間、たとえば休憩時間にカフェでお茶をしてるときなどに手軽に消費できるコンテンツです。

参加者の中には「電子書籍はWebを利用する習慣のない、比較的高年齢層をWebの世界に呼び込むための仕掛けと考えた方が見誤らなくて済む」という意見もあった。

もはや論外ですねこれ
高齢者ターゲットで尻すぼみという日本社会の縮図のような意見ですね。全力で無視したいところです。

電子書籍は映画やゲームと競合する?

| コメント(0) | トラックバック(0)

ASCII.jp:電子書籍勉強会で参加者と語り合ったこと|編集者の眼という記事より

「電子書籍をインタラクションの方向で発展させるとゲームとぶつかり、映像の方向で発展させると映画とぶつかる」という意見があった。

果たしてそうでしょうか?
動画とテキスト、音楽、写真、VR、ゲーム、その他インタラクティブなAppなどが組合わさることで生まれる新たな表現に多大な可能性を感じませんかね?私はCD-ROMブームのとき色々とマルチメディアタイトルに関わっていたので、あの頃できなかったことが今の技術で実現できると思うだけでワクワクしてしまいます。

映画だゲームだと既存のコンテンツ領域でとらえてしまうような人は、おそらく紙の書籍という領域からも抜け出せないような気がします。

なお、上の記事では以下のように続いておりました。

画像や動画と組み合わせる技術的可能性はよしとして、では画像や動画が誰がどんなコストで制作するのだろうか。「マルチメディア」という技術的可能性は、作家1人のクリエイティブコストで制作できる「書籍」という作品形態と矛盾しているのかもしれないことは考慮しておくべきだろう。

デザインも3DCGムービーもアクションスクリプトも音楽もこなす、それでいて本も執筆するというマルチな方々は、おもにWebの業界などでは珍しくないです。

従来型の、文章を書くだけの作家にそれはできないというなら、それは単に交代の時期が来たということではないでしょうか。

また、以下のような興味深い意見も挙がったようです。

最初からウェブ上で小説を読み、書く習慣が身についた世代が作家になる頃には、七面倒くさい情景描写をするくらいなら、画像貼った方が早いじゃんと思う人も出てくる」という予測

それは流石に、芸術的見地からはいかがなものかと思います(笑)しかし、ブログがWeb端末で読むための読物として成立している以上、ただの笑い事として見過ごすこともなかなかできないかもしれないですね。媒体が変われば表現も変わってくるのは当然です。ハイパーリンクのない世界では、ハイパーリンク前提の表現ができないのもまた然り。

そして、私も再三再四にわたり言ってることが可能性としてあげられてました。

「音楽をアルバムというパッケージではなく、1曲ごとに購入するiTunesのもたらした変化がヒントになる」ともいう。「書籍」や「雑誌」というパッケージで情報を購入するのではなく、ユーザーのロケーション情報や購入履歴、検索キーワードなどによって、情報を切り出して提供する「マイクロコンテンツ」の考え方は、情報を編集し、加工して販売してきた出版社という業界の未来にも、大きな影響がありそうだ。

マイクロコンテンツの考え方なしに今後の電子書籍の販売は考えられないですよね。anan誌の「セックス特集」だけ読みたいとか、面白ければその特集記事のバックナンバーもあわせて揃えたいとかね。考えてもみればマンガ週刊誌と単行本の関係にこれは非情に近いです。縦に串刺すか横に串刺すかだけの違いですね。

おもしろい調査結果がありました。
Business Media 誠:電子書籍に月1000円以上使う割合、若い世代ほど増加

無料の電子書籍しか利用しない人が多いようだが、年代別に見ると、「1000円以上」と答えた割合は年代が下になるほど高くなっている(50代以上4.8%、40代10.3%、30代10.9%、20代以下17.7%)。「若者の本離れ」と言われることもあるが、電子書籍のヘビーユーザーは若年層ほど多いようだ。
20代以下と30代のトップは「少年コミック」だったが、40代と50代以上のトップは「文芸・文学」だった。

若者は本離れしてないが、紙離れはしている。しかも活字離れ(文学よりもマンガのほうを多く買う)ということですね。

私も少々乱暴ながら先日「電子書籍「AiR エア」を購入して出版不況が理解できた」という記事のなかで『漫画や写真集なら消費もしやすいのに』などと書いております。

これはもう普段触れている媒体に由来してると考えるのが妥当でしょう。ゲームだの音楽だのという、より受動的で享楽性の高いコンテンツが提供されているのがケータイやiPadです。

ヒットシングル曲を餌に、他のどうでもいい曲を寄せ集めて10曲たまったらアルバムを発売する。

音楽CDをそんな風に揶揄する時代もありました。

しかし今やiTune Storeでそのアルバムも一曲単位で切り売りされているわけです。そうなることで私個人としては音楽を購入する機会が増えました。一曲だけしか聴きたい曲がないのにさすがにアルバムは買えませんからね。他の捨て曲をだれかに譲ることもできませんし。

<余談>近年になって「アルバムだからこそ表現できることがある」などと主張し始めるアーティストも出て来て、程度の低さを自ら暴露してましたよね。いまどき末端のサラリーマンにしろブロガーにしろ自ら流通や伝達経路について考えるというのに、痛いことこのうえない逸話です。アーティストなら自分で発明すればいいのに。</余談>

さて音楽のあれこれは一段落ついて今や電子書籍の話題沸騰中なわけですが、こと雑誌に関してはせっかく電子書籍になっても、版下PDFから起こしたようなものばかりが目につきます。

これでは音楽でいうところのアルバムと同じ状態。

たとえばさっきコンビニでSPA!(スパ)を立ち読みしてきましたが、だめんずウォーカーだけ読みたい人もいれば、バカサイだけ読みたい人もいるでしょう。または逆に、中吊り広告などで大見出しに惹かれて、その特集だけに興味があるという人も多いはず。

他のコンテンツは要らないので、目的の部分だけ安く買えるなら、それにこしたことはありません。そうなると音楽とiTunes Storeで起きたような革新が雑誌の世界にも訪れますね。

今はまだ過渡期なので、読者自身が電子書籍というかたちに慣れるトレーニング期間ですが、そのうち雑誌のなかの欲しいコンテンツだけ購入するという時代がすぐやってくると思います。

従来の(紙の)雑誌を電子化するならPDFまたはAppが適している。EPUBはテキスト主体の本が相応しい。

ちょっと前まではこのような見方が大勢だったと感じます。
EPUBというファイルフォーマットでは雑誌を作れない。| Appetizer Japan | アペタイザー ジャパン |

リフローが出来るということは、写真や図版や表も崩れるということなのです。それはHTMLで組まれたウエブページを見るのと同様です。アメリカによくあるハードカバーの書籍、あれは表も図版もないですよね? EPUBは、あれが画面上で再現できる程度の、えらく簡単なフォーマットなのです

確かにそうなんです。
しかしWeb制作に携わる方々はどう考えているのでしょう?

まだあまり意見交換などをしておりませんが、FireworksもしくはPhotoshopなどでスライス一発table組みのサイト制作から一転、面倒なCSSを使って同等のユーザインタフェースを実現すべく何年にも渡り研究してきた屈強で忍耐強いひとびとです。ぜひ人類初の深宇宙探査メンバーに選出したいほど。

彼らの脳内はDTPデザイナーとはまったく違う思考経路を獲得しているように思えます。さすがに紙の雑誌とまではいかなくても、現在目にする多くのEPUBよりもはるかに雑誌らしいレイアウトを考えだすに違いないと感じています。

くわえてターゲットデバイスやターゲットリーダーを設定するとさらなる飛躍が待っています。半ばデファクトスタンダード化しているiPhoneまたはiPadにて、iBooksを利用して閲覧するという条件ではどうでしょう?
(それはWeb標準の一端を担ってきたXHTMLドキュメントの制作としては、180度違う方向性のようにも感じますが、どうしてもレイアウトを優先したいということなら現状では仕方のないことです)

そこまでの限定条件であれば、雑誌とまではいかないまでも、今日のWebサイトのデザインにかなり近付くのではないでしょうか?

しかしそれでも、雑誌の出版に携わるひとたちはまだまだ足りないと感じることでしょう。CSSではやはり限界があります。

そもそもリフローできることが「崩れる」原因であれば、それを排除してしまえば良いのではないでしょうか?フォントサイズをCSSで固定してしまう?いやいやそんなことではリーダー側の文字サイズ機能は殺せません。もっとぶっ飛んでしまえばいいんです。

ぜんぶ画像にしてしまえ(笑)

それならCSSをいじり倒すような面倒さとは無縁ですし、DTP経験者でも簡単に作業できますよね。そう考えるDTPデザイナーさんがいらっしゃいます。
DTP-Sブログ-ひねもすデジタルビヘイビア: EPUBを画像だけで作るのはレッドカードか?[EPUBセミナー雑記3]

電子書籍では込み入ったレイアウトを扱う場合、選択肢として丸ごと画像化するという選択肢は当分はずせないような気がする。「Digital Publishing Platform」だけでなく、日本でもヤッパの「電子雑誌」はフル画像だそうだ。EPUBでもややこしいものは画像にして挿入すればいいのではないか。

最初は「おいおい(汗」と思いましたが、この主戦場はどこなのかそして兵士達はどこから来るのか、それを考えたとき、Web制作者などの観点はもしかすると無効化されるのではないかと感じました。たしかにAppで提供される電子書籍はほぼ画像ですよね。

テキストはユーザーが読みたいサイズにして、レイアウトの複雑な部分だけ画像にすればよい。すべてを画像にして1ページで収まるようにしてEPUBを作成するのはあまり意味がなさそうだが、コンテンツの再利用が難しくなるので選択肢の1つかもしれない。

なんと!
Webの場合はある意味でコンテンツ再利用の柔軟性を重んじるわけですが、完全にダウンロードパッケージ型のコンテンツであれば、データを再利用されるのは困るという観点も当然ありです。であれば『コンテンツの再利用が難しくなるので選択肢の1つかもしれない』とも言いたくなりますよね。目から鱗。

私自身も「ePUBのデザインはPhotoshopのスライス一発で済むんでは?」という記事を書きつつ、やや自重(自嘲)しておりましたが、ここまで現役DTPerの方に断言されてしまうとそれでいいような気もしてきました。

このへんは今後さまざまな議論を呼びそうなので、継続して考察を続けていきたいと思います。そのまえにiBooksではPDFの閲覧にも対応しているということを忘れずにいたいところです。つまりiBooks Storeでは今後PDFのダウンロード販売の可能性もあるということを。

電書に著者サインをもらおうという強者がいらっしゃいました。
電子書籍に著者サインをもらいました - 思っているよりもずっとずっと人生は短い。

電子書籍ってサインがもらえないのが弱点だよね!みたいな話を聞いたことがあったので、あえて電子書籍にサインしてもらいました。

ということで、それが以下の写真
20100717152020

要はEPUBのファイルをZIP解凍して表紙画像を取り出し、そこにサインを載せるということらしいです。記事中でも言及されてますが、DRMのない場合に限り有効です。それにしてもエクストリームな方法ですね(笑)

これを電子書籍という範疇に入れるのも何か違うような気がしますが、朗読少女というiPhoneアプリがございます。
朗読少女 羅生門LITE - OTOBANK Inc.
朗読少女 羅生門LITE

以下がキャプチャ画像
朗読少女

この女の子(役の声優さん)が本を朗読してくれるんですけども、そりゃあもう長門有希 (涼宮ハルヒの憂鬱)の姿がだぶって見えてくるわけですよ。シチュエーションもそうだし、長身にはなっていてもキャラの造形も意識してないとは思えない。そもそもこのアプリの着想がそこにあるのでは?とも思えます。

そこで、このレビューを読むと納得してしまいます。
iPhoneアプリ「朗読少女」のすごく良いところと個人的に残念なところ:[mi]みたいもん!

てっきり青空文庫のテキストを読み込ませると初音ミクみたいにどんなテキストでも朗読してくれるアプリだと思ったんですよね。

そうなんですよ。でも合成音声ではないんですよね、人間の声優さんがちゃんと「朗読」しています。

それなりの音声で少女が読み上げてくれるアプリの方が、私としては欲しいと思ってしまうのも事実。

実際に試用してみて私もそう感じました。朗読すること自体は悪いことではないんです。むしろ素晴らしい出来だと思うのですが、長門の姿がすこし見え隠れすると、もっと無機質なものを期待してしまうのです。

そして本当に求めているのは『情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース』というもの = つまり音声読み上げを楽しむための二次元キャラなのではないかと感じた次第です。

ここ数日でわりと話題をふりまいているアプリですので、角川の関係者の方々も存在には気付いているかと思います。ここはぜひ、長門でこのアプリをまた別の方向性でどうにかしてやってください角川さん。

いや、アプリ作者の方がそんなの望んではないかもしれませんが、もう気付いてしまったからには仕方ないです。お願いいたします。
朗読少女 羅生門LITE - OTOBANK Inc.
朗読少女 羅生門LITE

なんと、米国では音声読み上げに対応しない電子書籍DRMは、クラックしてもOKという強攻突破をすることもあり得るみたいですね(笑)

水木しげる先生といえばもはや説明不要なので、そのへんは割愛させていただきます。

しかし漫画家でもある水木先生があえて画集という形で電子出版に手をつけるというのは興味深いですね。

考えてもみれば、漫画の電子書籍というのはまだビュアーの決定打がないです。iPhoneやiPadの制約のなかでどう見せるかを追及している段階であって、漫画の可能性をさらに広げてくれるかたちは見えて来ていませんよね。そういった状況下で画集から始めるのはとても賢い選択かと思います。

水木先生の画集といえばアートとしてだけでなく資料集としての価値も高いですから、元素図鑑などなど事典/図鑑の多いiPad書籍の世界には向いてると思います。それに妖怪のなかには伝承から得られる姿以上に、水木しげるによって姿を与えられ固定化されたものも少なくないはずですからね。

購入者の評判も高いですね。

いくつかiPadの書籍を購入したが、初めて値段に見合ったアプリだと思った。 まずボリュームがある。百数十頁も妖怪の絵が詰まっており、さらに画質が非常に美しい。拡大しても綺麗なのがファンにとってはうれしい

ダウンロードは以下のリンクより(iTunes)
水木しげる妖怪原画集 妖鬼化(ムジャラ)【壱】沖縄・九州 - Softgarage
水木しげる妖怪原画集

そもそも考え方として、InDesignの版下データを電子版にも転用するのは間違っているという指摘。当り前ではありますが、混迷を極める電書界ではこういう意見をもっとちゃんと伝える必要はありますね。
"紙用データをiPad向けに"という考え方では無理 - インタビュー:ITpro

たまたま今までの紙の雑誌に「見開き」という概念があるので、横にしたときは「見開きにしちゃえばいいのでは」という考え方だと思うんです。それは多分ユーザーは望んでいない。縦は縦で見えなければいけないし、横は横で読めなければいけない。

そしてこれ、PDFなどでもよくありますが、拡大しないと読めないというのはもう戦う前から終わってる感がありますよね。

そもそも拡大しないと読めないというのは雑誌としてどうなのでしょう

よくあるケースが「紙用にInDegignのデータがあるからこれで何とかして」という場合です。でもそれはそもそも考え方からして違うと思うんですよ。こんなとき、よく大根とおでんの話をします。大根を煮込むとおでんにもなる。生の大根だったら漬物にもできる。でもいったんおでんになった大根は漬物にはなりませんよね。つまり電子化するには紙用のデータにする前のコンテンツ、「見せたいこと、言いたいこと」に戻らなければなりません。

電子書籍関連の紙の本も出版ラッシュとなてますよね(笑)
電子出版の歴史と進むべき未来とは? - マイコミ新書『電子書籍の真実』発売

元雑誌編集者で、電子書籍事業にも携わった経験を持つ弁護士・村瀬拓男氏が、電子書籍の権利問題、出版界の変化などを議論する。

Web 2.0などと同様、この手の新書はすぐ陳腐化してしまいそうな内容のものが多いと思うのですが、それにしても電子書籍がテーマなんだからこれこそ電子書籍で出せばいいのにね。

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうちコラムカテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはEPUB・PDFです。

次のカテゴリは電子出版です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。