従来の(紙の)雑誌を電子化するならPDFまたはAppが適している。EPUBはテキスト主体の本が相応しい。
ちょっと前まではこのような見方が大勢だったと感じます。
EPUBというファイルフォーマットでは雑誌を作れない。| Appetizer Japan | アペタイザー ジャパン |
リフローが出来るということは、写真や図版や表も崩れるということなのです。それはHTMLで組まれたウエブページを見るのと同様です。アメリカによくあるハードカバーの書籍、あれは表も図版もないですよね? EPUBは、あれが画面上で再現できる程度の、えらく簡単なフォーマットなのです
確かにそうなんです。
しかしWeb制作に携わる方々はどう考えているのでしょう?
まだあまり意見交換などをしておりませんが、FireworksもしくはPhotoshopなどでスライス一発table組みのサイト制作から一転、面倒なCSSを使って同等のユーザインタフェースを実現すべく何年にも渡り研究してきた屈強で忍耐強いひとびとです。ぜひ人類初の深宇宙探査メンバーに選出したいほど。
彼らの脳内はDTPデザイナーとはまったく違う思考経路を獲得しているように思えます。さすがに紙の雑誌とまではいかなくても、現在目にする多くのEPUBよりもはるかに雑誌らしいレイアウトを考えだすに違いないと感じています。
くわえてターゲットデバイスやターゲットリーダーを設定するとさらなる飛躍が待っています。半ばデファクトスタンダード化しているiPhoneまたはiPadにて、iBooksを利用して閲覧するという条件ではどうでしょう?
(それはWeb標準の一端を担ってきたXHTMLドキュメントの制作としては、180度違う方向性のようにも感じますが、どうしてもレイアウトを優先したいということなら現状では仕方のないことです)
そこまでの限定条件であれば、雑誌とまではいかないまでも、今日のWebサイトのデザインにかなり近付くのではないでしょうか?
しかしそれでも、雑誌の出版に携わるひとたちはまだまだ足りないと感じることでしょう。CSSではやはり限界があります。
そもそもリフローできることが「崩れる」原因であれば、それを排除してしまえば良いのではないでしょうか?フォントサイズをCSSで固定してしまう?いやいやそんなことではリーダー側の文字サイズ機能は殺せません。もっとぶっ飛んでしまえばいいんです。
ぜんぶ画像にしてしまえ(笑)
それならCSSをいじり倒すような面倒さとは無縁ですし、DTP経験者でも簡単に作業できますよね。そう考えるDTPデザイナーさんがいらっしゃいます。
DTP-Sブログ-ひねもすデジタルビヘイビア: EPUBを画像だけで作るのはレッドカードか?[EPUBセミナー雑記3]
電子書籍では込み入ったレイアウトを扱う場合、選択肢として丸ごと画像化するという選択肢は当分はずせないような気がする。「Digital Publishing Platform」だけでなく、日本でもヤッパの「電子雑誌」はフル画像だそうだ。EPUBでもややこしいものは画像にして挿入すればいいのではないか。
最初は「おいおい(汗」と思いましたが、この主戦場はどこなのかそして兵士達はどこから来るのか、それを考えたとき、Web制作者などの観点はもしかすると無効化されるのではないかと感じました。たしかにAppで提供される電子書籍はほぼ画像ですよね。
テキストはユーザーが読みたいサイズにして、レイアウトの複雑な部分だけ画像にすればよい。すべてを画像にして1ページで収まるようにしてEPUBを作成するのはあまり意味がなさそうだが、コンテンツの再利用が難しくなるので選択肢の1つかもしれない。
なんと!
Webの場合はある意味でコンテンツ再利用の柔軟性を重んじるわけですが、完全にダウンロードパッケージ型のコンテンツであれば、データを再利用されるのは困るという観点も当然ありです。であれば『コンテンツの再利用が難しくなるので選択肢の1つかもしれない』とも言いたくなりますよね。目から鱗。
私自身も「ePUBのデザインはPhotoshopのスライス一発で済むんでは?」という記事を書きつつ、やや自重(自嘲)しておりましたが、ここまで現役DTPerの方に断言されてしまうとそれでいいような気もしてきました。
このへんは今後さまざまな議論を呼びそうなので、継続して考察を続けていきたいと思います。そのまえにiBooksではPDFの閲覧にも対応しているということを忘れずにいたいところです。つまりiBooks Storeでは今後PDFのダウンロード販売の可能性もあるということを。